令和2年 (2020) 作品履歴
11月 白鳥庭園 観楓会 華と灯りの路地飾り2
日本最古の禅寺である博多聖福寺第123世住職「仙崖義梵(せんがいぎぼん)」(1750 ~ 1837)の筆によることで有名な「◯△□」は、禅の極意を表わすために禅宗独特の「不立文字」(大切な事は文字に表さない)で描かれた画と言われています。
禅を海外に広めた仏教学者「鈴木大拙(すずきだいせつ)」(1870~1966)は、無題のこの画を見て「The Universe」と英訳したそうです。「◯△□」の単純な三つの図形は宇宙の根本的形態を示し、密教の六大思想(地水火風空識)を地(□)水(◯)火(△)で象徴したものとも言われています。
◯ 円相
禅では禅思想の要点や奥義を描き表わす時に◯を描き、これを円相と言います。
◯はどこまでも欠けることのない絶対的な悟りや真理、仏性、宇宙全体などを象徴的に示したものです。
とはいえ、◯という形に促われてはいけません。
○に促われた心では◯を描くことができないからです。大切な真理を見失ってしまいます。
△ 坐相
どっしり腰を据え、頭は天を衝き上げている状態で坐禅を組む姿、促われの無い心で仏と一体となっている姿を表わしています。
□ 促われた心
私達は社会常識という□の中に囲まれて生きており、そこで悩み、人によって価値観の違う「常識」という観念に縛られて生きています。
しかしその□から一歩踏み出すことによって、促われのない自由の境地に達することができます。□のどこからでも踏み出すことができ、その一歩こそが禅の入口だと言われています。
◯△□ 宇宙・無限
ニ角形というものは無く二本の線では形になりません。
三角形になって初めて形ができます。
三角形が出来れば二つ合わせて四角形が出来、五角形
・六角形・七角形 … 百角形 … 一億角形 … 一兆角形となりますが、まだ完全な◯とは言えません。
しかし、目で見ればほとんど◯に見えるでしょう。
完全な◯でなくても無限の世界では限りなく◯に通じていくということから「◯△□」は宇宙を表わすということでしょうか?
禅の解釈は非常に難しく、凡人の私達が生きている間に「◯△□」を理解するとことなど到底叶わないのかも知れません。
※ 上記の一部に上越教育大学 押木秀樹氏の「仙崖「◯△□」の私的解釈」(2004)
より引用させて頂きました。
Seizan Ayanokohji
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