令和5年 (2023) 作品履歴
11月 白鳥庭園 観楓会
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「華と灯りの路地飾り」では、今年庭園内に4流派・5作品が展示されました。
佳紅流は2019年に清羽亭で開催した流展『五行 華の世界』で「天地万物がその生滅盛衰により変化し循環する」という五行思想に基づきインスタレーションを展開しました。
今回も「循環」をテーマに
汐入の庭では「サンゴ白化現象から再生へ」竹林では「森林破壊から再生へ」
を表現した作品の展示をしました。
■サンゴ礁衰退による影響
CORAL BREACHING
「サンゴ白化現象から再生へ」
-SDGs14海の豊かさを守ろう-
地球温暖化などの環境変化により、生物多様性に富む生態系であるサンゴ礁が深刻な危機に直面しています。
このままサンゴが死んでしまうとサンゴ礁をすみかとする生物だけでなく、サンゴ礁にすむ生物を食べる生物も姿を消すことになり、生態系バランスが崩れてしまいます。
人間にとっては漁業資源・観光資源が失われてしまうことになります。
■減少の原因
このようにサンゴ礁が危機にさらされたのは、沿岸開発・生物資源の乱獲・破壊的漁法の実施・海洋汚染・森林伐採や農地開発に起因する表土流出やハリケーンによる破壊、サンゴを食べるオンヒトデの大量発生、高水温による白化現象などが原因と考えられています。
■白化現象
陸から大量の土砂が海に流入し、海水が濁りサンゴに土砂がかたまると、サンゴの中の褐色藻が光合成できなくなったり、サンゴが窒息して死んでしまいます。
褐色藻を失うことによりサンゴの白い骨格が助けて見える白化現象を起こします。
環境が回復すればサンゴは褐色藻を再び獲得して健全な状態に戻りますが、白化した状態が長く続くと、サンゴの褐色藻からの光合成生産物を受け取ることができなくなり死んでいまします。
■作品
今回は着色した樹を白化したサンゴに見立てました。
中央に赤サンゴを配置し、初夏の満月に近い夜に一斉産卵するというサンゴの産卵を、電飾により表現しました。
世界中のサンゴ礁の75%が存続を脅かされているといわれています。
サンゴの白化がこれ以上進まないようこの先もサンゴが産卵を続けてくれるよう願いを込めました。
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